1.「赤字決算から黒字決算への転換」を目指すために必要なこと

 日経BPコンサルティング・周年事業ラボの調査によると、2020年3月時点での日本の100年企業は3万3076社、さらに200年以上企業は1,340社で、いずれも世界一の数字となっています。

 一方、少し古いデータではありますが、2011年版中小企業白書の調査での企業の生存率の平均を見ると、創設後10年後には約3割、20年後には約5割の企業が撤退となっており、非常に厳しい淘汰の状況にあります。

 また、令和2年の国税庁の調査によれば、279万560の法人企業のうち、利益計上法人は105万782社、欠損法人は173万9,778社で、欠損法人の割合は実に62.3%となっています。
コロナ禍も加わり激変する厳しい経営環境の下では、「赤字決算から黒字決算への転換」が企業の最大の課題となっています。

 「赤字決算から黒字決算への転換」を目指すためには、「業績管理」体制の確立が不可欠です。

2.「業績管理」とは

 「業績管理」とは「PDCAのサイクル」を回すことを確実に実践し、目標を達成することです。
「PDCAのサイクル」の内容は次の通りです。

(1) PLAN (計画)  中期経営計画や短期経営計画の策定
(2) DO(実行)    成果の拡大に向けての選択と集中、実行、迅速・正確な月次決算
(3) CHECK(検証) 全社または部門別の予算実績差異分析と期末業績予想
(4) ACTION(対策) 販売計画等の見直し、固定費圧縮計画、戦略的決算対策

 定期的に業績検討会を開催し、経営判断のモノサシとしての計画と実績の差異を確認します。そして、その原因を追究するとともに今後の経営課題を抽出し、改善に向けての次なる行動をするというサイクルを回していくことが重要です。