「適格請求書(以下、インボイス)」を発行するためには、いつまでにどのような手続きをすればいいのでしょうか?

 令和5年10月1日の「インボイス制度(適格請求書保存方式)」開始と同時にインボイスを発行するためには、原則として令和5年3月31日までに申請手続きを行い「適格請求書発行事業者」になる必要があります。
 いくつかの特例もあるので注意が必要です。

1.登録申請の仕方


 登録を受ける事業者は、「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を、納税地を所轄する税務署長に提出します。その後審査を経て登録された場合には、適格請求書発行事業者登録簿に登載され、その旨の通知および公表が行われます。公表された情報は、インターネットを通じていつでも確認できます。

2.登録の通知と効力


 登録の通知は原則として書面で行われますが、e-Taxで「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を提出した場合は、通知をe-Taxで受け取ることもできます。
 登録の効力は、通知の日にかかわらず、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(登録日)に発生します(事前申請の場合は令和5年10月1日)。

3.令和5年10月1日から登録を受ける場合の申請期限


(1) 通常の場合
 令和5年3月31日まで
(2) 特定期間※の課税売上高等により新たに課税事業者となる事業者の場合
 令和5年6月30日まで

※特定期間とは次の期間を言います。
 個人事業主の場合  
  その年の前年1月1日から6月30日までの期間
 法人の場合     
  原則としてその事業年度の全事業年度開始の日以降6か月の期間

 ただし、上記(1)(2)までに「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を提出することが困難な場合には、その困難な事情を記載した「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を令和5年9月30日までに提出すれば、令和5年10月1日に登録を受けたものとみなされます。なお、「困難な事情」については、その困難の度合いは問いません。 また、「困難な事情」の記載がない登録申請書を提出して令和5年 10 月2日以後に登録を受けた場合の登録日は、その登録を受けた日となります

4.登録の変更、取消


(1) 変更
 登録事項に変更があった場合には、速やかに「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届」を提出することされています。
(2) 取り消し
 適格請求書発行事業者が登録を取り消したい場合は、「適格請求書発行事業者の登録の取り消しを求める旨の届出書」を提出することで登録が取り消されます。ただし、翌課税期間から取り消したい場合は、「課税期間の末日の30日前よりも前」までに提出する必要があるため、注意が必要です。

5.新設法人の登録申請


(1) 課税事業者である新設法人
 事業を開始した課税期間の末日までに、事業を開始した日の属する課税期間の初日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする旨を記載した「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を提出することで、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます(新設法人等の登録時期の特例)。
(2) 免税業者である新設法人
 事業開始(設立)時から適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、設立後、その課税期間の末日までに、「消費税課税選択届出書」と「登録申請書(「適格請求書発行事業者の登録申請書」)」を併せて提出することが必要です。